さわやかな季節となりましたが、皆さま、お変わりございませんか。いつも、私ども「まめや」をご贔屓いただきまして、ほんとうにありがとうございます。
さて、突然のご知らせで恐縮ですが、この度「まめや」は大家さんのご都合により、現在の新富町の場所(旧「大石邸」)を立ち退くこととなりました。
当店「まめや」、平成17年6月に開業して以来、9年目を迎えておりますがおかげさまで、私どもの下手な手料理にもかかわらず、とても風情のある家屋に助けられ、お食事を楽しんでいただけるお客さまも、日を追って増えてまいりました。これも、ひとえにお目の高いご客さまの方々からの温かい励ましのお言葉に支えられてきたおかげで今日があると実感しております。あらためて深く深く感謝申し上げます。
この「大石邸」は、戦後間もない頃から、芸者さんが住んでいらっしゃった住居で、今もなお、其処かしこに趣きのある造作が残り、私たちが作る料理に花を添えてくれました。こちらは、定期借家法という賃借契約ゆえ、家賃の方も抑え目で、貧しい私たちにとってはとても入居しやすい物件でした。お店の開業にあたっては、大切に保存されてきた「大石邸」の一部の改修などにも、大家さんは快く応じてくださり、心から感謝しています。
いまや、東京では珍しくなった、すべて木と土と紙で出来た造作は、とても居心地の良い空間でしたが、残念ながら今回は契約更新出来ないということで、この場所から退去することが決まりました。
今は溢れる感謝の気持ちを込めて、「大石邸」での残りの時間を皆さまと共に楽しく過ごしてまいりたいと思っています。
最終営業日と今後については、目下、新しい物件を求めている最中ですが、「できたら同じ新富町で決まるといいな」と願っております。決まりしだい、ご連絡申し上げる予定でございます。
「まめや」は、まだまだ、皆さまの叱咤激励とご支援なくしては、前に進むことができません。今後とも一層のご愛顧お引き立てを賜りますよう、心よりお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
平成26年6月
「まめや」店主
長谷川聡子